購買力が高く、ブランドへのこだわりも強い一方で、流行の移り変わりが早く、ユーザーは「広告っぽさ」に敏感。そんな環境で、Instagramは、ブランドの世界観・こだわりを伝えるうえで欠かせない存在です。
今回は「もしグローバル企業の日本市場担当者だったら、Instagramをどう活用するか」を考えてみました。日本市場におけるInstagramの立ち位置や、他社の成功事例、そして今後の活用のヒントをまとめてお伝えします。
①日本市場におけるInstagramの独自性
日本は世界でも有数のInstagram大国です。
月間アクティブユーザーは6,600万人以上と言われ、日常の中で最も身近な情報収集・発信プラットフォームのひとつとなっています。
中でも、ユーザーは「自分らしさ」や「共感」を重視しており、写真やリールなどを通じて“好き”を表現・共有する文化が根づいています。
特に20〜30代女性を中心に「検索エンジン代わり」に使われることも増えており、旅行、ファッション、グルメ、美容といったジャンルでは欠かせない情報源となっています。
また近年では以下のような特徴も色濃くなってきています。
- Instagram経由で買い物ができるショッピング機能、インスタライブを用いた販売の導線が発達したことによる、購買行動の高まり
 - リールやまとめ投稿(カルーセル)による、お店・お出かけスポット訴求で、来店行動の高まり
 
これらの状況から、Instagramは「写真や動画で魅せるSNS」であると同時に、購買へつなげる導線設計が重要なチャネルへと進化していると考えられます。
まとめると、以下の3点を意識した運用が求められます。
- 興味の誘発
ターゲットに共感される、親和性の高いコンテンツで惹きつける(広告色よりも共感重視) - 購入検討の後押し
商品の魅力を具体的に伝え、行動を促す - 購買への導線設計
ショッピング機能やEC・予約サイトへのリンク(予約先の電話番号)を活用 
次章では、企業の事例を交えながらご紹介します。
②企業の活用事例
事例①ケンタッキーフライドチキン(@kfc_japan)
ケンタッキーフライドチキン(KFC)のアカウントでは、新商品の告知や定番商品の楽しみ方などを発信しています。
大きなポイントは、季節や記念日などに関連する投稿を実施している点です。
四季のある日本の特徴にマッチしている訴求で、多くのユーザーにとって自分ごと化しやすい投稿だと考えます。
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また日常の一部を切り取ったような写真で共感性の高い投稿も実施。
日本のInstagramユーザーにとって親和性のある投稿と言えるでしょう。
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そのほか、商品の豆知識などを訴求する投稿も。購入検討者にとって、「食べたい意欲」が高まりやすくなる投稿と考えられます。
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- 共感性の高いコンテンツを発信している=EGMを獲得しやすいと推測
 - 豆知識などの情報訴求で、購入の意欲UP
 - 店舗への導線やデリバリーへの導線は、わかりづらいため整理するとベター(プロフィールのURLのみ)
 
事例②キャス キッドソン ジャパン(@cathkidston.jp)
英国のライフスタイルブランド「キャス キッドソン」も日本オリジナルのInstagram運用を実施しております。
商品の写真をカルーセルでリッチに見せています。
特筆すべきは、ブランドの世界観を守りつつ情報発信している点です。
以下の新店オープン告知では、ほか投稿との親和性を守りつつ、カルーセル2枚目以降で必要な情報を記載。
ノベルティの配布やイベント告知など、来店促進につながるような訴求も漏れなく実施している点が特長的です。
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また、Instagram上のショップを開設しており、ECサイトへの導線も用意しています。
- ブランドの世界観を守りつつ、来店促進につながる投稿を実施
 - Instagram上のショップを開設しており、ECサイトへの導線を完備
→ オンライン・オフラインともに行動促進につながる工夫◎ - 商品自体の良さが伝わる情報が少なめな印象(ビジュアルに振り切っている印象)なため、キャプションや画像への文字入れで訴求力がUPすると考えられる
 
事例③Costco_Japan / コストコ ジャパン(@costco_japan)
アメリカ生まれの会員制倉庫型店「コストコ ジャパン」は2024年6月に日本のアカウントを開設。わずか1年数ヶ月で500件以上の投稿をリリースしています。
新商品のまとめ投稿や、おすすめの食べ方動画など消費者に寄り添った投稿が中心です。
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商品によっては、文字入れした画像をカルーセルで見せており、魅力が伝わりやすい投稿となっています。
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またInstagram上のショップを開設しており、ECサイトへの導線も用意。加えてプロフィールのリンクは4つ設定されており、多方面へのケアができています。
- 1投稿における情報量が多く、商品の購買意欲・来店促進につながる投稿を実施
 - Instagram上のショップを開設しており、ECサイトへの導線を完備
→ オンライン・オフラインともに行動促進につながる工夫◎ - コストコファンに向けた情報発信と感じるため、新たなユーザーを取り込むには「なぜコストコが良いのか」を訴求する必要がある。
→ たとえば、インフルエンサーを活用しタイアップ投稿をすることで認知拡大(ひいては会員検討者を取り込む)が見込める 
③Instagram活用の戦略設計
これまで紹介した企業事例と、前述の運用ポイントを合わせると以下の要素を意識することで、有効活用できると考えます。
興味の誘発
ターゲットに共感される、親和性の高いコンテンツで惹きつける(広告色よりも共感重視)
- 季節感・記念日など自分ごと化しやすいコンテンツ
 - 新商品のまとめ投稿や、おすすめの食べ方動画など消費者に寄り添った投稿
 
購入検討の後押し
商品の魅力を具体的に伝え、行動を促す
- 商品の豆知識など、購入検討者にとって意欲が高まりやすくなる情報発信
 - 1投稿における情報量を担保し、商品の購買意欲・来店促進につなげる
 - ノベルティの配布やイベント告知など、来店促進につながるような訴求
 
購買への導線設計
ショッピング機能やEC・予約サイトへのリンク(予約先の電話番号)を活用
- ショッピング機能を導入し、ECへの導線確保
 - プロフィールのリンクを複数設定し、ユーザーの知りたい情報にアクセスしやすい環境を作る
 
冒頭でお伝えしたとおり、いかに「写真や動画で魅せ」ながら、購買意欲を掻き立てるかが今後重要になってくると言えるでしょう。
4.まとめ
Instagramは日本のユーザーにとって「共感」「情報収集」「購入(来店決定)」の場であると言えます。グローバルブランドが日本市場で成功するには世界観を押しつけるのではなく、ユーザー目線に立った情報発信が必要です。
一方で、ブランドの世界観も伝えつつ、丁寧な情報発信をすることは簡単ではありません。
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