X(旧Twitter)では、多くの企業が認知拡大やファンとのコミュニケーション促進など、さまざまな目的を持ってアカウントを運用しています。
より効果的な成果を得るためには、目的に応じて発信内容や表現方法を工夫し、プラットフォームの特性を活かすことが重要です。
本記事では、企業のX公式アカウントにて9〜10月に実施された投稿事例をピックアップ。
投稿内容の工夫や演出のポイントを通して、効果的なアカウント運用のヒントを探っていきます。

①効果的なクリエイティブ設計
吉野家様(@yoshinoyagyudon)
店舗施策「肉だく祭り」の告知投稿を実施した後、その投稿を引用リポストする形で、ユーザー視点に近い“食べた人目線”のクリエイティブを用いた投稿を展開。
1本目では店舗施策の内容をしっかりと“伝える投稿”に、2本目では“食べてみたい”と感じさせる投稿に仕立てることで、目的に応じたクリエイティブの使い分けが行われています。
特に、引用リポストの“食べた人目線”の写真は、広告色を抑えた自然なトーンが特徴。その結果、ユーザーの共感を得やすく、「食べてみたい」「行ってみよう」といった行動意欲を高めることにつながっています。
②“ファンなら気づく”仕掛けで盛り上がりを創出
KATE 公式 (@KATETOKYO_PR) 様
短文かつシンプルなクリエイティブで、人気作品『NANA』とのコラボを匂わせる投稿を実施。
テキストでは作品内の象徴的なセリフを引用し、画像には主要キャラクターを想起させるシンボルを配置することで、作品ファンの感情を刺激し、多くのエンゲージメントを獲得しました。
さらに、投稿時刻を「19:08(ナナ・ハチ)」に設定するなど、ファンなら気づく細やかな仕掛けも。こうした“ファンだけが分かるヒント”を散りばめることで、共感や考察を呼び、自然な拡散を生み出す構成となっています。
今回のようなティザー投稿では、あえてすべてを明かさず、ファン心理をくすぐる余白を設計することが、話題化とエンゲージメント獲得の鍵になる好例といえます。
③拡散設計された誕生日占い
マクドナルド(@McDonaldsJapan) 様
新しいセットメニューの発売に合わせて、「誰と食べるか」を誕生日占い形式で楽しめる投稿を実施。
占いや診断といった投稿は、Xとの親和性が高く、ユーザーの滞在時間やエンゲージメントを自然に引き上げられる定番企画のひとつです。
今回の投稿では、「誕生月」と「誕生日」の組み合わせでひとつの単語が完成する仕組みが採用されており、思わず笑ってしまうようなユニークな結果が生まれる点がポイント。その面白さがリプライや引用リポストを誘発させるトリガーとなっています。
また、それらを誘発することで、結果としてセットメニュー自体の認知拡大にも寄与する設計となっています。
④販促投稿を“会話の場”へ
ファミリーマート (@famima_now) 様
おでんの登場を知らせるとともに、ユーザーに推しおでんを問いかける投稿を実施。
「あなたの推しおでんを教えて!」という一言があるだけで、ユーザーは自分の好きな具材を語るきっかけを得て、コメントや引用リポストが自然と増加。投稿は単なるお知らせではなく、ユーザー同士が会話を交わす“コミュニティのハブ”として機能しています。
さらに、他の人の推しを見に来るユーザーも増えることで、結果的に滞在時間やインプレッションの向上にも寄与。
季節商材の投稿に「共感」と「会話の余白」を足すことで、販促型投稿をコミュニティ投稿へと昇華させた好例といえます。
⑤UGC活用の好例
REALFORCE(リアルフォース)【公式】 (@TOPRE_REALFORCE) 様
自社製品を取り上げたユーザー投稿(UGC)が話題化していたタイミングで、REALFORCE公式アカウントがその投稿を引用リポスト。
多くのユーザーが共感していたリアルな声に対して反応を示すことで、製品と企業を結びつけ、話題をさらに拡散させました。
本事例のように、UGCが生まれた瞬間にそれを見つけて反応することは、製品や企業の認知度向上はもちろん、企業としての親近感を印象づけるきっかけになります。
ユーザー発の話題をすぐに取り上げる対応力こそ、SNS時代における企業公式アカウントの理想的な形といえるでしょう。
⑥まとめ
どのアカウントも、Xの特性を活かし、遊び心のある投稿でユーザーの共感を得ています。
自社でも「どんな切り口なら反応したくなるか」を意識し、日々のユーザーの声や話題投稿から学ぶことが大切です。
そうした積み重ねが、商品紹介や告知投稿を“共感を生む発信”へと育てます。
本記事の内容が、自社アカウント運用のヒントとしてお役立ていただけましたら幸いです。
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