2024年4月19日にイーロン・マスク氏はXにて
Any accounts doing engagement farming will be suspended and traced to source
(エンゲージメントファーミングを行っているアカウントは停止され、ソースまで追跡されます。)
https://x.com/elonmusk/status/1781183251731677264
といったポストをしました。
こちらでマスク氏が言及しているengagement farming(エンゲージメントファーミング)とはどんなものなのか、企業アカウント運用への影響について本記事で考察してまいります。
①エンゲージメントファーミングとは
XのクリエイターであるDogeDesigner(@cb_doge)氏は自身のポストにて、エンゲージメントファーミングについて下記のようにまとめています。
※英文を翻訳
- コンテンツに対するユーザーの真の関心に関係なく、コンテストやプレゼント企画への参加方法として、いいね、共有、コメントなどの投稿への関与を促します。
- コメント欄に元の投稿とは関係のない無関係な内容を投稿する。
- クリック、再投稿、コメントを促すために、誤解を招くようなクリックベイトコンテンツを投稿する。
- エンゲージメントを得るために他人のオリジナルコンテンツを使用する。
- メンバーが互いの投稿に反応し、エンゲージメントを高めるグループに参加します。
- 「これを見たい友達にタグを付けてください」など、ユーザーにコメントを促すプロンプトを表示します。
- ボット アカウントを使用して、投稿へのエンゲージメントを高めます。
▼元投稿
また上記投稿に対してマスク氏もリプライを送っています。
※英文を翻訳
主な問題は、ユーザー エクスペリエンスの質が低下することです。魅力的なコンテンツで「エンゲージメント ファーム」を行うのは問題ありませんが、スパムではそうではありません。
▼元投稿
これらのポストから企業アカウント運用において多用されるエンゲージメントを促す投稿形式(例.○○ならいいね/リポスト)やキャンペーン投稿については、エンゲージメントファーミングの項目に当てはまるものの、スパムアカウントではないため実施に問題はないと考えます。
実際に、大型アカウントであるファミリーマート(@famima_now)さまやマクドナルド(@McDonaldsJapan)さまのアカウントでは、引き続きエンゲージメントを促す投稿は実施されています。
▼投稿例
またキャンペーン投稿についてはガイドラインのページが設けられており、”企業、組織、さらにはクリエイティブな個人”という枠組みにおいて実施が肯定されております。そのため、下記ガイドラインの項目を遵守したキャンペーン実施は現状では問題が無いといえます。
▼キャンペーンの実施についてのガイドライン
https://help.x.com/ja/rules-and-policies/x-contest-rules
また、余談ではありますが、エンゲージメントファーミングを行っているスパムアカウントの判定については、Grokが活用されているようです。
※英文を翻訳
Grokを使用して、エンゲージメントファーミングスパムを検出、削除、追跡します。
▼元投稿
②エンゲージメントファーミング規制の理由
Xのインプレッションに基づく収益化の実装後、注目されている投稿に無意味なリプライを送るアカウント(通称インプレゾンビ)や、虚偽の内容でキャンペーンを実施するスパムアカウントが増えたことで今回の規制に至ったと考えられます。
Xは今後動画コンテンツの充実や決済機能の実装を見据えており、今回の規制やコミュニティノートなどの機能を活用し、プラットフォームの安定運用を目指している状況といえます。
③まとめ
今回はエンゲージメントファーミングの概要についてご紹介しました。アナウンスされている内容より、企業アカウントの運用においては影響はないものと考えられます。今後も本規制のようなアナウンスについて、記事でご紹介していきます。
弊社では、最新情報や仕様を取り入れながら、アカウントの運用支援・運用代行を行っております。
アカウントの設計や投稿の企画、適切な投稿タイミングの調査、投稿設定など、SNSに関する業務を一気通貫でご依頼いただくことが可能です。
Xの運用に関してお悩みをお持ちの企業・店舗様はぜひお気軽にご相談ください。