X(旧Twitter)の運用において、「トレンドをどう捉え、どう自社らしく活用するか」は、企業アカウントの成果を左右する重要な要素です。
最近では、話題の構文の活用やUGCを促す素材提供など、ユーザーとの距離を縮めながら拡散を狙う投稿が多く見られるようになってきました。
本記事では、X上で大きな話題を呼んだ企業アカウントの成功事例をもとに、「なぜ伸びたのか」「どう応用できるのか」を具体的に解説します。

①怖いか?構文
岩崎ファーム (@iwasakifarm) 様
2024年に流行した「怖いか?構文(例:怖いか?私の◯◯が)」を取り入れた投稿。
特大サイズのブルーベリーを100円玉と並べて撮影することで、視覚的にそのインパクトを瞬時に伝える構成に。特にスマホでスクロール中のユーザーでも目に留まる「一目でわかる比較」が、拡散の起点になりました。
また、投稿文の「怖いか?」という挑発的でユーモラスな一文も、コメントや引用投稿での反応を呼び込み、エンゲージメントを拡大。高画質でシンプルな構図の写真も、商品の新鮮さと魅力を最大限に引き出しています。
視覚インパクト×意外性のある言葉選びが、トレンドを生み出す土台となった好事例です。
②今ですか?構文
🐱佐藤商店 こんにゃく【公式】 (@Satoshoten_Yufu) 様
ユーザーの問いかけを勝手に想定し、それに淡々と答える、まるで日常の一コマを切り取ったかのような投稿。
こんにゃくの製造過程を収めた動画と「今ですか? えぇ。こんにゃく作ってます。」という一文が、まさにその瞬間のリアリティを伝える“実況”となって機能しています。
また、普段はなかなか目にすることのない こんにゃく製造の様子に、ユーザーは興味を引かれ、ポジティブな反応を多く獲得しています。
その“使いやすさ”と“温度感”が絶妙な「今ですか?構文」は、誰でも日常の中にある自分の営みをこの構文に乗せて投稿できるため、2025年6月のXミームの一つとなりました。
③中の人の本音
🩹リバテープ製薬株式会社【公式】 (@libatapeseiyaku) 様
共感を呼ぶ中の人の本音投稿。「バズって社長を驚かせたい」という企業アカウント担当者の“切実かつユーモラスな願望”をストレートに表現したことで、多くの共感を呼んだことが推測されます。
また、この投稿には余計な装飾がなく、ただ一枚、自社商品の絆創膏の写真が添えられているだけという潔さも特徴です。このシンプルな構成が逆に「普通の商品でもバズれるのでは?」という驚きと面白みを生み出し、ユーザーや他企業アカウントによる引用リポスト・二次創作のきっかけにもなりました。
④文字入れ替え
ポムポムプリン【公式】 (@purin_sanrio) 様
当時のXで流行していた「並び替え言葉×ド派手フォント」のミームを応用した投稿。
このミームは通常「文字を並び替えて無理やり言葉を作る」遊びですが、ポムポムプリン【公式】では、あえて「ポムポムのプリン」と“ルール違反”ともいえる構成で投稿。キャプションの「こういうこと〜?」も含めて演出された“ズレ”が、キャラクターのゆるい雰囲気を体現しています。
また、この“ズレ”が“いじられしろ”を作り出し、リプライや引用ポストでは「正しいミーム形式」でポムポムプリンの名前を並び替えるユーザー投稿が続出し、自然なかたちでのUGC創出を実現させています。
⑤透過素材の提供
ロッテ 雪見だいふく (@yukimi_lotte) 様
昨今のXで多く見かけるようになった「透過素材」を提供した投稿。
商品パッケージの中に“何かをはめたくなる”フォーマットの透過素材を配布することで、引用リポストのハードルを下げ、UGCを自然に促進しています。
丸いフォルムの中に画像を当てはめるだけという参加しやすい構造に加え、キャプションでは「推しやまあるくてぷにぷにしたものを当てはめて」と、ユーザーのアクションを言語化。結果として可愛いものからユニークなものまで幅広い投稿が集まり、ブランドの認知拡大と好感度向上の両立に成功した事例です。
⑥まとめ
トレンドをうまく捉えた投稿には、いずれも「伝えたい情報」と「SNS上でウケる文脈」のバランス感覚があります。
今回ご紹介した事例のように、視覚的インパクト・投稿文のテンポ・ユーザーが参加しやすい設計など、工夫次第で企業アカウントでも自然に話題化を狙うことができます。
流行にただ乗るのではなく、「ブランドらしさを乗せたトレンド活用」。これが、これからの企業X運用の鍵となりそうです。
弊社では、様々な企業様のアカウント運用経験により得られた知見や手法を持っています。今回ご紹介しました運用方針や投稿企画なども、アカウントに適したご提案をいたします。
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