しかし、その距離の近さゆえに、運用の匙加減ひとつで「ブロック」という形で関係が断たれてしまうリスクも孕んでいます。ただし、「ブロック」を恐れすぎることも懸念ではあるため、うまく向き合っていくことが重要となります。
この記事では、ブロックについて解説していきます。
1.ブロック率を「信頼の指標」として捉える
LINE公式アカウントを運用する上で、避けて通れないのがブロック率の問題です。一般的に、企業の公式アカウントにおけるブロック率の平均値は10〜30%程度と言われています。この数値をいかに安定させ、急増を防ぐかが、長期的なマーケティングの成否を分けるポイントとなります。
ブロックが発生する主な原因は、配信内容がユーザーの興味関心と乖離していることや、通知頻度によるストレスです。せっかく獲得した友だちが離脱してしまうのは、単にオーディエンスが減るだけでなく、それまでに投じた獲得コストの損失を意味します。
2026年現在のSNSマーケティングにおいては、アルゴリズムによる拡散よりも「個別のユーザーとの良質なコミュニケーション」が重視されています。ブロック率を抑えることは、開封率やコンバージョン率の向上に直結し、結果としてROIを最大化させるための不可欠なプロセスなのです。
ただし、LINE公式スタンプの配布などを実施すると、急激にブロック率が増加します。これは、ユーザーの興味が企業ではなくスタンプのみにあるため、公式アカウントからの配信が届く・届かない以前の問題となります。実際に、プロモーションスタンプを実施すると、ブロック率が60~70%程度まで増加するという事例もあります。
ここでのブロックについては、大きく気にする必要はありません。むしろ、ブロックをしてくれたほうがよい、とまで言ってしまっても過言ではありません。LINEは1配信毎に費用が発生するプラットフォームです。アカウントに興味のないユーザーが友だちとしていることで、全配信をする際に、無駄な通数が増えてしまうのです。
ここで発生するブロックについては、うまく向き合い、むしろアクティブ/非アクティブユーザーを分類していくことが重要となります。
2.ブロック率を安定させるための具体的アプローチ
では、実際にアカウントに興味を持ってくれている友だちに対して、ブロック率を下げるためには、どのような手法があるでしょうか。
企業側が「送りたい情報」を送るのではなく、ユーザー側が「受け取りたい情報」を届けるという視点の転換が求められます。
① セグメント配信による「情報の最適化」
すべての人に同じメッセージを送る「一斉配信」は、最もブロックを招きやすい手法の一つです。
データに基づいた切り分け: ユーザーの性別、年齢、地域といった基本属性に加え、過去の購入履歴やリッチメニューのクリック傾向などの行動データを活用します。
- 事例の示唆
例えば、未購入者には「初回限定のブランドガイド」を、リピーターには「新商品の先行案内」を送るなど、情報の精度を高めます。これにより、ユーザーは自分に関係のない通知を受け取るストレスから解放され、ある事例ではブロック率が従来の半分にまで改善されたケースも報告されています。
② メッセージの「質・量・タイミング」の最適化
LINEはスマートフォンで閲覧されることが前提のツールであるため、視認性とリズムが重要です。
適切な文量: 長文は最後まで読まれにくく、離脱の要因となります。1画面に収まる300文字程度を目安にし、簡潔で読みやすい構成を意識します。また、テキストは入れ込まずに画像のみで訴求することもひとつです。
- 配信のタイミング
ターゲットの生活動線を考慮します。ビジネス層なら通勤時間や昼休み、主婦・主夫層なら家事が一段落する午後など、通知が「邪魔」ではなく「一息つく時間のコンテンツ」になるよう工夫します。 - 通知への配慮
「通知をオフにする設定方法」をあえて定期的に案内することで、ユーザーに「ブロック以外の選択肢」を提示し、完全な離脱を防ぐ手法も有効です。
③ インタラクティブな機能による「自発的参加」の促進
プッシュ通知による「攻め」の運用だけでなく、リッチメニューを活用した「待ち」の運用を充実させます。
リッチメニューの戦略的設計: メッセージを待たなくても、ユーザーが自発的に「クーポンを確認する」「FAQを見る」「店舗予約をする」といった行動が取れるよう、利便性を高めます。
- 飽きさせないクリエイティブ
テンプレートを固定せず、季節やキャンペーンに合わせてビジュアルを刷新します。これにより、アカウントを開くたびに新鮮な印象を与え、視覚的なマンネリ化を防ぐことができます。
④ 「初回接触」での期待値コントロール
友だち追加直後の「あいさつメッセージ」は、その後のブロック率を左右する最も重要な接点です。
パーソナライズの導入: 名前を自動で挿入する機能を使い、親近感を醸成します。
- ベネフィットの明示
「このアカウントでは週に○回、お得なクーポンをお届けします」といった今後の配信指針を伝え、ユーザー側の心の準備を整えることが、長期的な信頼関係の第一歩となります。
3. まとめ:ユーザー中心の運用がもたらす持続可能な成長
LINE運用において「ブロック」は必ずしもネガティブなだけではなく、ターゲット層の絞り込みという側面もあります。しかし、不必要な離脱は最小限に抑えるべきです。
今回ご紹介した「セグメント配信による精度向上」「適切な情報量とタイミング」「リッチメニューによる利便性追求」は、すべて「ユーザーがストレスなく、価値ある情報を得られる状態」を作るためのものです。
まずは自社アカウントのブロック率推移を分析し、どのタイミングで離脱が増えているのかを特定することから始めてみてください。こうした細やかな改善の積み重ねが、強固な顧客基盤を築き、ビジネスの安定的な成長を支えることにつながります。
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